2025年6月4日(水)、基礎演習の高田ゼミは京都の「京ばあむatelier」と京都国際美術館を訪れました。前者では、実際にバウムクーヘンオーブンを使って自分たちでバウムクーヘンを作りました。現在、本ゼミでは川北稔著の『砂糖の世界史』を購読しながら、砂糖を中心に「近代世界システム」の歴史を学ぶという活動を行っています。今回、自分ら菓子作りを体験し、実際に味わうことで、これまでの学びがより現実味を帯びたものになったと確信しています。後者では、「特別展 日本、美のるつぼ -異文化交流の軌跡- 」を鑑賞しました。俵屋宗達作の《風神雷神図屏風》や葛飾北斎作の「富嶽三十六景」の中でも特に有名な《神奈川沖浪裏》や《凱風快晴》など、誰もが知る日本の文化財に加え、宋・元代の《青磁花瓶》や唐代の《銅三具足》など、朝鮮・中国から伝来した多数の国外文化財も見学しました。なかでも特に印象に残ったのは、《IHS紋花入籠目文蒔絵螺鈿書見台》と范道生作・十八羅漢坐像のうち《羅怙羅尊者像》の二点です。前者は聖書を読む際に使用される書見台であり、HIS紋の周囲には幾何学模様が施されており、その構造にはイスラム圏のコーラン用書見台の要素も見られます。キリスト教だけでなくイスラム教の文化も見受けられる、極めて特徴的な日本の国宝の一つです。後者は、出家前の釈迦の子である羅怙羅が自分の中の仏を見せるため胸を開くという、非常に印象深い作品でした。(1回生・國久健人)
