2022年8月19日、博物館資料保存論(A)の学外講義の一環として兵庫県立美術館を訪ね、普段目にすることのない保存修復室を見学するという貴重な機会を得ました。そこでは、保存修復の方法や作業に用いる道具類について学びました。特に私が興味を抱いたのは、エックス線や赤外線によって、作品の損傷部分はもちろん、その製作過程も明らかになることです。また、その後は常設展示室にて新収蔵品である吉原治良の作品や触れる彫刻などの展示を見学し、どのように作品が展示室で守られ、来館者に提供されるのかを考えることができました。(3回生・山城文乃)
月: 2022年8月
白鶴プロジェクトでの工房見学
2022年8月8日、私達は京都の森本錺(かざり)金具製作所を訪問しました。白鶴美術館が秋期展示で行う教育プログラムの準備のためです。同製作所の職人の方々に説明していただきながら錺金具の製作工程の見学をしました。錺金具は、日本の建造物において今日まで伝統的に用いられてきたものであり、神社や寺をはじめとした歴史的建造物や神輿など様々なところで目にすることができます。そのような錺金具の地金には銅板が使用されています。使う場所や用途によって銅板の厚さが異なり、その銅板を加工しやすいように炎で熱し、希硫酸液に浸けた後取り出し、表面の汚れを洗い取る「なまし」という作業の実演もしていただきました。また、銅板に墨で型紙から文様を写し、鏨(たがね)を使って「打出し彫」という立体的に銅板を打つ作業や文様に合わせて銅板を打ち抜く作業の体験をしました。職人の方々が丁寧に指導してくださったおかげで、普段目にすることが出来ないような貴重な経験をすることが出来ました。(2回生・福重湖雪)