在外研究@ラオス(中辻享)

2014年度の後期にラオスに半年間滞在する機会に恵まれました。今回はこれまでに収集した空中写真を使って、ラオス北部農村の土地利用の変化を明らかにすることが目的でした。空中写真は1945年以降の7時点のものを収集しています。それを分析した上で、対象地域の人々に聞き取り調査を行い、当時の状況をあざやかに描き出そうと試みました。その結果、わかったことは1960-70年代のベトナム戦争がラオスの農村にも大きな影響を与えていたことです。当時、人々は戦火を逃げ惑ったり、無理やり軍隊にさせられたり、移住させられたり、大変な苦労をしていました。当時の人々の移住状況に関しては空中写真からも読み取ることができます。

私はこれまで十数年間同じ地域で調査を続けてきたのですが、戦争時代の状況についてはほとんど聞いていませんでした。今回の調査で、ラオス農村に対する見方が変わりました。(中辻享)

写真:ベトナム戦争時、ラオス最大の戦場となったジャール平原にて。

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