第19回歴かふぇ:「滋賀県史(近現代編)編纂事業開始と課題点:水利・土木分野を担当して」

2025年6月25日、歴らぼ編集部では第19回歴かふぇを開催しました。今回は講師として古関大樹先生(担当:地理と情報Ⅰ・人文地理ⅠB)をお招きし、「滋賀県史(近現代編)編纂事業開始と課題点:水利・土木分野を担当して」というテーマでお話し頂きました。近現代において、滋賀県で水利・土木事業がどのように行われてきたか、文献史料や地図を用いて分かりやすく解説して頂きました。また、編纂事業の流れやそれに伴う様々な出来事など、貴重なお話も伺えました。調査研究の報告のうえで、如何にして自分の結論に説得力を持たせるか、引用する史料の選択や一本芯を持った物語性が重要だと、今回の話を聞いて感じました。それは今後の研究において非常に参考となる話題でした。(3回生・脇坂柊吾)

中町ゼミ巡検:奈良マスジド

2025年6月21日に訪問した奈良マスジド(Nara Masjid Jan Academy)は、奈良市にある2019年設立のモスクで、もともと老人ホームを改装して作られました。1階が男性用、2階が女性用に分かれ、それぞれ広い礼拝スペースがあります。取材ではヤセルさんとチョードリーさんが麦茶を振る舞って下さるなど、親切に対応して頂きました。平日は約15人、金・土曜日は100人程が礼拝に訪れ、信者はパキスタンやバングラデシュなど多国籍です。説教の言語も曜日により異なり、地域交流や学童のような活動も行っています。ムスリムの観光客が訪れることも多く、奈良県唯一のモスクとして頑張って欲しいと思いました。(2回生・山田啓介)

近代資料班:平安神宮・琵琶湖疎水記念館・無鄰菴など

歴らぼ・近代資料班は、2025年6月8日、京都の平安神宮、琵琶湖疎水記念館、無鄰菴に行きました。1895年に平安京遷都1100年を記念して創建された平安神宮では、厳かな広々とした境内や大鳥居の迫力に圧倒されました。琵琶湖疎水記念館では、明治時代に京都の発展を支えた水路について、模型や映像資料などで学びきました。山形有朋の別邸として知られる無鄰菴は、開放的な池泉回遊式庭園が印象的でした。その洋館では「無鄰菴会議」という日露戦争開戦前の外交方針を話しあった会議の部屋を見学しました。実際に現場を見て、この場の持つ日本近代史における重みが実感され、有意義な時間となりました。(1回生:中田あさひ)

基礎演習(高田ゼミ)京都フィールドワーク

2025年6月4日(水)、基礎演習の高田ゼミは京都の「京ばあむatelier」と京都国際美術館を訪れました。前者では、実際にバウムクーヘンオーブンを使って自分たちでバウムクーヘンを作りました。現在、本ゼミでは川北稔著の『砂糖の世界史』を購読しながら、砂糖を中心に「近代世界システム」の歴史を学ぶという活動を行っています。今回、自分ら菓子作りを体験し、実際に味わうことで、これまでの学びがより現実味を帯びたものになったと確信しています。後者では、「特別展 日本、美のるつぼ -異文化交流の軌跡- 」を鑑賞しました。俵屋宗達作の《風神雷神図屏風》や葛飾北斎作の「富嶽三十六景」の中でも特に有名な《神奈川沖浪裏》や《凱風快晴》など、誰もが知る日本の文化財に加え、宋・元代の《青磁花瓶》や唐代の《銅三具足》など、朝鮮・中国から伝来した多数の国外文化財も見学しました。なかでも特に印象に残ったのは、《IHS紋花入籠目文蒔絵螺鈿書見台》と范道生作・十八羅漢坐像のうち《羅怙羅尊者像》の二点です。前者は聖書を読む際に使用される書見台であり、HIS紋の周囲には幾何学模様が施されており、その構造にはイスラム圏のコーラン用書見台の要素も見られます。キリスト教だけでなくイスラム教の文化も見受けられる、極めて特徴的な日本の国宝の一つです。後者は、出家前の釈迦の子である羅怙羅が自分の中の仏を見せるため胸を開くという、非常に印象深い作品でした。(1回生・國久健人)