私は、戦国時代の北近江(現在の滋賀県)を統治した浅井長政について研究しました。現代において、浅井長政は織田信長の妹である市を娶った後、信長に背いた「謀反者」として広く知られています。長政は文武に秀でており信長と互角に戦い、周囲に大きく影響を与えました。私は、成立期の異なる軍書である『信長公記』『信長記』『浅井三代記』の三冊を比較し、引用の部分や表現の異同を調べ、浅井氏の評価は著者ごとにどう異なり、どう変化していくのか考察しました。また、先行研究との評価の違いも自分なりに考察しました。比較のため史料の重要な部分はエクセルで一覧表を作り、別表として論文に添付しました。大変で時間のかかる作業でしたが、こだわったことで満足のいく論文となりました。