16世紀以降のハプスブルク家の台頭は当時の社会システムにも大きな変革をもたらしました。それまでの輸送システムは徒歩や騎馬による飛脚制度が主流でした。しかし、1490年にハプスブルク家のマクシミリアン1世がヴェネツィアで飛脚問屋を営んでいたタクシス家と郵便契約を結び、それまでの飛脚制度ではない郵便制度という新しい社会システムが誕生しました。この郵便制度は通信・運輸の基幹になるとともに、「コミュニケーション革命」の原動機として、新聞・雑誌・旅行・金融等の発展を支えました。今回の卒業論文では、その郵便制度の成立と発展の過程、それらに関する皇帝の役割を中心に論じています。