江戸時代の日本は、世界的に見ても非常に識字率の高い社会でした。武士や公家などの支配者層に限らず、一般庶民も含めて、膨大な量の記録や文書を作成しており、それを読み解くことによって様々なことが見えてきます。実際に古文書の読解を進めていくと多様な江戸時代の社会が見えてきます。2013年度は「人別送り状」(現代の住民票)や「往来手形」(現代のパスポート)、殺人事件の調書など、大学所蔵の文書を読み解きました。2014年度は、火曜日の3限から5限の間、参加者の空いている時間に歴らぼで古文書を読んでいます。
甲南の文化遺産01:Hermann Haackによる壁地図
歴史文化学科図書室と本学図書館には、教材としてかつて活用されていた多くの壁地図が所蔵されています。そのなかには、ドイツでカルトグラファーとして活躍したHermann Haack(1872ー1966)の作製によるものも多数あります。写真は講義(2010年度、地理学民俗学資料研究Ⅱ)の一環として本資料の整理を行い、その成果を図書館エントランスで展示した際の様子を写したものです。(鳴海邦匡)
2013年度卒業論文 三柴慶大(出口ゼミ):我が故郷 高砂の活性化についての一考察
高砂市民には、「祭り」にかける熱い思いがある。私利私欲とは無縁の奉仕だ。「祭り」とは、地元の人達とともに屋台を担ぎ、「一体感」「連帯感」「達成感」を共有しながら新しい地域の歴史を作り、文化を伝承する作業だ。「世代を越えた」「職種を越えた」交流を行う。幼い頃から参加することにより知らないうちに地元への愛着が育まれ、やがて、ゆるぎない郷土愛となる。「祭り」における絆と精神をもってすれば、何でもできるのではないだろうか。「祭り」を通して内側に形成されていく郷土愛という目に見えない意識に正面から取り組んだ卒業研究になった。
博物館実習体験記:箕面市立郷土博物館
2013年7月30日から8月2日までの4日間と短い間でしたが、大学の中だけでは体験できないことを学ぶ、貴重な経験でした。展示構成について考える機会があり、自分の考えを人に伝えることの難しさ、他校の仲間と協力して展示を完成させたという達成感を得ることができました。また、来館者に「来てよかった」や「また来たい」と思ってもらえるのかを常に考えることの大切さ、そのための行動力の必要性を改めて感じました。これからもこの実習で学んだことを生かしたいと思います。山川 和(2013年度卒)