私の実家は但馬地域の真言宗寺院であり、その環境を生かそうとこのテーマを設定した。真言宗信徒に限らず、弘法大師を信仰する人は多く、その形も様々である。そして但馬地域にも独特の弘法大師信仰が存在する。それが但馬高野山団参である。年に一度、但馬地域の真言宗寺院、檀信徒が一団で高野山を参拝する。昭和23年に始まり一度も途切れることなく現在まで続いている。なぜ70年もの間、同団参は続いているのか、それは当地域の真言宗寺院の努力の賜物だった。寺院に生まれ育ち、将来は継ぐ立場として、卒論作成を通して進むべき道がより明確になったと感じる。
写真:霊場参拝出発前 大正7年 当山にて