2022年12月、『唐帝国の滅亡と東部ユーラシア――藩鎮体制の通史的研究』(思文閣出版)を刊行しました。タイトルにある「唐帝国」とは、7世紀から10世紀初頭まで、中国にあった王朝の名。日本も遣唐使を派遣し、その文化や制度に憧れました。しかし、唐が絢爛たる世界帝国であったのは、実は8世紀半ばまで。本書では、日本であまり知られていない8世紀後半~10世紀の唐代史を、内陸アジア世界や海域アジア世界との連動の中で捉え直します。時代の変化に柔軟に対応し、敵対勢力すら利用してしたたかに延命を図りながら、やがてこれまで支えてきてくれた人々を切り捨てはじめ、最後は誰からも見放されてしまう。滅びに向かう王朝の姿は、どこか現代にも通じます。(教員・新見まどか)
出版社による紹介と目次
https://www.shibunkaku.co.jp/publishing/list/9784784220472/
本書に関するエッセイを収録したPDFがダウンロードできます(『鴨東通信』No.115、2022/9参照)
https://www.shibunkaku.co.jp/publishing/prmagazine/