2018年3月末から1年間、イタリアでの在外研究で二つの研究に取り組んできました。前半はアルプス南麓のトレンティーノ=アルト・アディジェ州の古文書館で古文書を読み込む日々で、中心は15世紀メラーノ(またはメラン)の一群の公証人登記簿とその関連史料。後半は中部イタリアのマルケ州フェルモ市を中心に14世紀の教会国家での反乱を研究し、様々な史料に出会う幸運にも恵まれました。いずれも日々史料に触れる喜びの中に「古文書館員なくして歴史家なし」と繰り返し思う日々。地道な史料保存と活用に取り組みつつ、研究者達への助力を惜しまない古文書館員の方々へに感謝し、きっとよい研究成果でお返しできたらと思っています。(佐藤公美)
※写真:フェルモ市の丘から海の見える眼下の丘陵地をのぞむ風景