私は学部(歴史文化学科)時代には、語学や歴史の授業に出ており、稲田先生のゼミ(東アジア史)で学びました。高校までピアノを習っていたためドイツの歴史や文化に興味をもっていたのですが、夏休みの1か月間、ドイツ・ライプツィヒの語学学校に行ったことが、現在の進路のきっかけになりました。また中学から大学まで美術部に入っていたこともあり、ドイツの美術にも興味を抱きました。そこで美術史という学問があることを知り、研究を志すようになります。そして神戸大学大学院人文学研究科に入学し、宮下規久朗先生のもとで本格的に美術史学を学びました。日本学術振興会特別研究員の研究費などによってドイツのレーゲンスブルク大学に計3年間留学し、現地の先生や院生に教わりながら研究しました。そして、16世紀のドイツの聖母像や風景画をテーマに博士論文を書き、博士号を取得しました。その後大学の非常勤講師などを経て、2020年から下関市立美術館の学芸員をしています。まだ慣れないことも多いのですが、美術作品にじかにふれられる喜びを感じながら、日々を過ごしています。(2010年度卒業・藪田淳子)