東谷 智

東谷 智 教授 HIGASHITANI Satoshi

専門分野:日本近世史、資料の調査・保存論、歴史を活かした街づくり

キーワード:藩政史、行政、支配、古文書、文化財保全、史跡

学生へのメッセージ

 歴史というと、高等学校までの暗記科目という印象が強いかも知れません。しかし、「史料」を媒介に過去を眺めると、人々が生きている姿が驚くほどはっきりと浮かび上がります。「史料」とは、文字史料のみならず屏風や巻物などの絵画史料、古地図や絵図、書籍、考古遺物、建物、記念碑、町並みなどありとあらゆるものが含まれます。これらの「史料」を通して「過去という異文化」に立ち入っていくのが歴史学です。
 江戸時代の人々の考えや常識と、現代の我々の常識は違います。江戸時代の人々の考えに寄り添って過去を眺める、これが歴史学における「異文化理解」です。「史料」に導かれながら過去を旅してみませんか。
 もちろん、現代の町並みや史跡を歩くことも、過去を知る重要なヒントになります。例えば、私の研究分野の一つである武家社会を理解するため、古地図を持って城下町や城郭を歩くことがあります。歴史の痕跡を発見するだけではなく、武士と、武士を取り巻く庶民の生活や気持ちに近づくことができます。フィールドワークの醍醐味です。
 「史料」に触れ、現場を歩くことで歴史を楽しみましょう。

ゼミの紹介

 東谷ゼミは、戦国時代から現代までを対象としています。研究成果を吸収することも必要ですが、様々な「史料」から歴史を読み解けるようになるのがゼミの目標です。グループワークや個人発表、巡見などを通して「史料」に親しみ、「史料」の楽しさを知ってください。
 巡見では、古地図を持って史跡や街を歩いたり、博物館の見学に行ったりします。
 2022年度は仙台・松島に行きました。仙台城では伊達政宗の像を楽しみにしていたら、修理中というハプニングもありました。地震で馬の前足が折れたとのことです(政宗落馬か?)。2023年度は長崎に行きました。あの狭い出島で3時間以上見学をし、古地図を持って長崎の街を歩きました(2日で10キロほど歩いたか)。
 写真は、松島で撮ったものです。巡見では、おいしいものを食べることも楽しみです。写真を撮った後、海鮮丼と牡蠣を堪能したことは言うまでもありません。

日本三景の一つ松島にて島巡り

主な担当科目

日本史概説 日本史研究 日本史特論 日本史史料研究 古文書学 国際化の歴史
その他、博物館学芸員課程の科目

リンク

研究者紹介
甲南大学の研究力
「藤堂藩伊賀者の職務について-戦時と平時の双方から-」(2014、忍者・忍術学講座/三重大学伊賀連携フィールド主催):以前行った講演会をYouYubeで見ることができます。