梶さやか 教授 Sayaka KAJI

専門分野:東欧近代史:ポーランド、リトアニア、ベラルーシ

キーワード:ナショナリズム、歴史認識、知識人

 

 

学生へのメッセージ

現代は、世界のいろいろな国や地域との様々な交流があり、インターネットを通じた情報も豊富です。しかしそれにとどまらず、世界のほかの地域の歴史や文化を学び、実際に触れてみることは新しい世界への扉を開くきっかけになり、過去という他者を知ることは自分の当たり前を見直すきっかけにもなるでしょう。

また、同じ一つのことについて多様な情報や異なる見解が登場することがあります。そのとき、単にどちらが正しいかだけでなく、様々な情報を集めながら、なぜそのような情報や見解の違いが生まれるのかを、自分で多角的に考えることは、いろいろな史料を突き合わせながら調査していく歴史研究の作業と共通しています。覚えるのではなく、考える歴史の学びを大学で体験してみましょう。

 

リトアニア・ヴィルニュスで行われた、春を迎えるウジュガヴェネスの祭り。祭りにもいろいろな変遷や歴史があります。

 

 

ゼミの紹介

ゼミのテーマは「今ある姿を疑ってみよう」です。現代の社会の制度や文化、暮らしは、長い歴史の間に変化し、形成されてきたものです。また我々の価値観や習慣、考えも歴史的に見れば不変のものではありません。西洋という、他者であるけれども日本やアジアにも大きな影響を与えた地域の過去を通じて、自分の当然を疑ってみましょう。

ゼミの授業の内容には主に二つです。一つ目は、履修者みんなで同じ文献を読み、分からないところを質問したり、それに答えたり、内容について議論したりする「輪読」です。二つ目は、それぞれの履修者が関心のある分野について発表し、それに対してみんなで質問したり、議論したりして、研究力を磨く「個別報告」です。

大学で学び、研究する西洋史の中身は、高校までの世界史から想像するよりもずっと広いです。過去の西洋社会に関する様々なことが研究対象になります。覚えることではなく、自分で問題を見つけて考えることが重要です。だから、日ごろから不思議に感じたことや疑問に思ったことを調べてみる力、当たり前だと思うことを違う角度から見てみる力、つまり知的好奇心が大切です。

 

 

主な担当科目

西洋史概説、西洋史史料研究、現代史

 

 

研究の紹介

私が専門に研究しているのは、東ヨーロッパ、特にポーランドやリトアニア、ベラルーシ地域の19世紀を中心とする歴史です。ここにウクライナを加えた地域には、16世紀以来、「共和国」と呼ばれた、ポーランドとリトアニアの連合国家がありました。貴族が大きな権限を持つ分権的な国で、宗教や言語、文化の点で多様な住民が住んでいましたが、18世紀の終わりに隣国によって分割されて消滅してしまいます。その後、この国の独立回復運動が起こりますが、第一次世界大戦が終わる頃には、ポーランド、リトアニア、ウクライナ、ベラルーシという別々の国として独立しようとしました。この間の約1世紀にどのような変化があったのか。これが私の研究テーマです。国家・民族の独立や分裂にかかわる問題なのでナショナリズムの研究ですが、単に政治的な側面だけでなく、文化や宗教、歴史観、教育システム、あるいは身分制度や経済状況など、様々な問題が影響し合っています。最近は中でも歴史認識に関心を持っています。またこの地域を19世紀に統治していたロシアやオーストリア、プロイセン(のちのドイツ)もこの変化に大きな影響を及ぼしています。ですから、私の場合は特にロシアについても考察対象に入れて、一国の視点に偏らないよう、多様な側面から研究を進めています。

 

ポーランド・ルブリンの城の礼拝堂。キリスト教東西両宗派の影響が見られます。

 

リンク

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