鳴海 邦匡 教授 Kunitada NARUMI
専門分野:歴史地理学、人文地理学
キーワード:地図の技術史、測量、普請図、海図、植生景観の変遷、社寺林、里山
学生へのメッセージ
ゼミの目標は、自ら考える力を養うことです。社会では、物事を批判的に見ることやその構造をしっかりと捉えることが大切と考えています。それは卒業論文の作成をめぐる作業で培われるものがあると考えます。卒業論文を作り上げていく作業を通じ、「問い」を考える力、論理的に考える力、社会との繋がりを考える力を養うことを目指します。また、卒業論文の作成では、自分の資料(一次資料)見付け考えること、図や表を作成し考えることを強く求めます。各自のテーマや資料の前ではみんなも教員も平等です。ゼミ活動に積極的に参加し、様々な課題を一緒に考え、楽しく議論できる学生を望みます。一緒に良いゼミを作りましょう。そして、地図好きが来てくれると嬉しいです。
ゼミの紹介
ゼミのテーマは「様々な文化とその歴史」です。私達の暮らしは様々な文化的な事柄や事物で構成されています。ゼミでは、それらの中から各自が関心のある具体的な対象を取り上げ、その歴史(形成や変化の過程)や現在における意味、地域との関わりを考えます。 ゼミでは、卒業論文の執筆に向け、自分のテーマ探しから始まり、それを考えるための資料を見いだすことを目指します。2・3年次では、調査や分析の手法に触れつつ、各自に課題を設けて成果を報告していきます。また、共同課題に取り組む活動も可能なら実施したいと考えます(報告書の作成など)。卒論提出後は、例年報告会(2月中旬開催)を行い、卒論内容をプレゼンします。そのほか、巡検合宿や蕎麦打ち体験など、歴史や文化に触れる行事を行こともあります。
主な担当科目
地理学の諸問題Ⅰ、人文地理Ⅰ・Ⅱ、地理学民俗学資料研究Ⅲ・Ⅳ、実践地域学など、ほか学芸員課程関連科目(博物館資料論A、博物館資料保存論A、博物館実習ⅠⅢなど)
研究の紹介
歴史(人文)地理学の領域にて、主に古地図を対象に研究しています。去年は、例えば『伊能忠敬の地図作製』(古今書院)で、伊豆半島での伊能図の下図を題材に測量や製図過程とその意義を検証しました。製図や緯度補正の仕方などが分かり面白かったです。こうした地図の測量・作成史が主な関心です。最近は東アジア海域の海図作成史に関心があり、米英国などの図書館や文書館で調査を進めてきましたが、コロナ禍であまり調査が実施できませんでした。ようやく落ち着いてきたので、以前のように調査を再開していきたと思っています。
リンク
・古地図を使って世界を知ろう(甲南フロントの甲南大学の研究力から)
・空前の古地図ブーム到来!? 古地図を手に新たな街の魅力を発見!(KONAN –PLANET・みんなの『世界』をおもしろくより)